カテゴリ:震災を越えて。( 54 )

言葉に、少しずつ出番が回ってきた。

「なんとも言えない」は使うな。
 文章修練のある時期に、そう教えられた人は少なくないと思う。おいしさなり美しさ、それで動いた心を、言葉を使ってなんとか表現するのがわれわれの仕事なのだ、と。
 あの日言葉は無力だった。言葉の使い方を鍛え、磨いてきたつもりの職能者が、ただ黙り立ちくして降参するしかなかった。何を伝えるというのか。どう伝えられるというのか。それが何の力添えになるというのか。
 浜で必要だったのは行動あるのみ。救ける、守る、探す、命をつなぐ。言葉は状況と要不要を伝えるツールとして、あるいは生存をかけた瀬戸際でかけあう励まし、という機能しかなかったのではないだろうか。

 ほとんど破滅的と言ってもいい挫折。完膚なきまでに叩きつぶされ、それでも行かずにはおられず最寄りの浜を訪ねた時の心中は、どこまでもバツが悪く、いま思い出しても肚がキュウと縮こまる思いがする。そんな自分に、散歩ですれ違ったように「やあ」と、笑顔を見せてくれた漁師の強かさにはただただ恐れ入り、頭が上がらない。

 そうだ、幸いだったのは、人は泣いてばかりではなかったこと。一部は驚くばかりの意気込みと行動力で再起へ歩み始めたし、救援から暮らしの再建へ支援へと活動が広がる中で、うつむいていた顔を上げる人も出てきたこと。そして気がつけば、言葉の限界を思い知らされてなお、土に立ち人に添う優しい書き手がいた(優しい、は優れているのだ)。

「RE」というのは、そんなプロジェクトである。
 
a0118120_15221470.jpg 何もかもめちゃめちゃに壊されてしまった仙台市の沿岸部。ここにどのような暮らしが取り戻せるか、つくれるか。そのカギは、「ここにどのような暮らしがあったか」にある。そこで言葉の力、地元学の力が生きてくる。話を聞く。ひたすら聞いて書きとめる。農、味、習わし、祭り。暮らしの跡をたどる。できるものは再現する。(結城登美雄さん風に言えば)そんな浜が浜であった姿、ムラがムラでありえた理由を考慮しないで、どんな生活再建もありえないのだ。

「RE」の12号続いた報告は、一区切りということになったようだ。プロジェクトサイトからPDFをダウンロードできます。きっと
 4回めの春を前に。
by kawa-usso | 2015-02-28 15:25 | 震災を越えて。

[山水学]をおべんきょ。

 東北大学片平キャンパスを歩くのは何年ぶりか。さいしょに勤めたプロダクションがこの近くだった。[片平たてもの應援團]などなどがかんばって、保存活用される方向で進んでいる近代建築群のキャンパス計画。いつか尽力者の解説付きでゆっくりウオッチングしてみたいけど、きのうそんな時間はなかった。
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シンポジウム「復興山水学」。
山(森林)〜川〜海の連環する環境を読み解く学術領域から、震災復興を考えるための足がかりを、共有しようという集まりであった。
・建築関係者らの[アーキエイド]による浜の再生提案と漁師学校
・自伐林業と互助会方式による住宅建設
・小河川の流域まるごと環境保全と再生
・資源の持続的保護✕販売戦略による「創造的な漁業再生」
などなどに耳を傾ける。2月に自分が登壇しなければならないフォーラムの参考になる言葉を拾い集めようという、こすっからいことも目論んで臨んだんだけど、それはともかく各位の発表はまことにもって興味深淵なものでありました。
by kawa-usso | 2015-01-13 00:43 | 震災を越えて。

雪も嵐も踏み越えて。

【完成した熊谷産業の南釜谷崎倉庫と、カヤの船】

 この夏、石巻市北上町に、ちょいとユニークな建物が登場しました。北上川でカヤ(新聞表記等ではヨシ。でも地元で慣れている呼び名を使います)を刈り、全国で茅葺き屋根をつくる、「古くて新しい」サスティナブルな屋根施工社、熊谷産業の南釜谷崎倉庫です。この場所は津波で熊谷産業を含む26軒が跡形もなく流されましたが、そこに戻ってきた最初の建物なのだ!


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 ご覧のとおり、コンクリート基礎以外は全木造のトラス倉庫。下町の工場とか味噌・醤油の醸造所とかで見たことはありませんか?  三角支柱で屋根を支えるのがトラス構造です。外壁は1寸厚(3cm)の焼き杉板✕二重張り。屋根はスレート葺きです(熊谷産業はスレート施工も手がけます。津波で社の全資産を失った直後、最初にやった仕事は自社のことではなく、東京駅復元用に使う予定だったスレートの、潮と泥を洗い落とし、送る作業でした)。
 熊谷産業はいちおうウェブサイトもありますが、それほど重視していないのか面倒くさいのか(笑)、リアルタイムでないし見せ方も……ムニャムニャ。わたくしも建設中から出来る限り足を運び、プロセスを見てきましたが、これまで自分のSNSでは発してきませんでした。んがしかし、この8/30〜31日に、完成以来初めてのイベントが催されました。単なる倉庫としてだけでなく、追波湾エリアの「ムラづくり」を目指して様々な催しに使われ、発信していくようです。なので、いつまでも黙している段階ではありません。手始めに、当方がSNSでお送りします。
 完成までの道のりは、これトライアルとトラブルの連続でした。材の一部は、周辺の山から重機を使わず馬によって搬出する「馬搬」で伐りだされたものです。しかも今年2月に上棟したのですが、その数日後に未曾有の低気圧で吹き荒れた暴風に、あっけなく潰されてしいました。大雪で筋交いを入れる作業ができずに上棟を迎え、しかし屋根はかかっていたために大きな応力がかかり、一気に倒壊したのでした。
 さていったいどうするのだろうかと思っていたら、一度解体し、破断した部分を伐り除き、短い材は継いで再利用すると、社長と設計士は結論づけたのです。
「全木造にしたのは、数十年後に再利用するため。それがたまたま早くきたと思えばいい」。かくして設計士は、被害を受けた構造材の9割を再利用して再建しました。エライ!

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 8月最後に催されたのは、子どもたちでカヤの船を造り、浮かべようというもの。熊谷産業の関連ムラづくりNPO りあすの森 主催で、メソポタミアの時代からあったといわれるカヤの船を2隻を作り上げ、北上川支流の皿貝川に浮かべました。今年の夏は31日が日曜日で、なんか切り上がりがいいですね。ピリオドがきっぱりしている。
 熊谷産業の現在の社屋は、あくまでも仮事務所。
 ←こんな仮事務所っす。 
 ←カヤで壁作ってます。
いずれ南釜谷崎に再建する、と社長は言ってます。どのように変わっていくのがか、愉しみであります。
by kawa-usso | 2014-09-01 19:33 | 震災を越えて。

雪も嵐も踏み越えて.

【〜完成した熊谷産業の南釜谷崎倉庫と、カヤの船】
 この夏、石巻市北上町に、ちょいとユニークな建物が登場しました。北上川でカヤ(新聞表記等ではヨシ。でも地元で慣れている呼び名を使います)を刈り、全国で茅葺き屋根をつくる、「古くて新しい」サスティナブルな屋根施工社、熊谷産業の南釜谷崎倉庫です。この場所は津波で熊谷産業を含む26軒が跡形もなく流されましたが、そこに戻ってきた最初の建物なのだ!
 ご覧のとおり、コンクリート基礎以外は全木造のトラス倉庫。下町の工場とか味噌・醤油の醸造所とかで見たことはありませんか?  三角支柱で屋根を支えるのがトラス構造です。外壁は1寸厚(3cm)の焼き杉板✕二重張り。屋根はスレート葺きです(熊谷産業はスレート施工も手がけます。津波で社の全資産を失った直後、最初にやった仕事は自社のことではなく、東京駅復元用に使う予定だったスレートの、潮と泥を洗い落とし、送る作業でした)。
 熊谷産業はいちおうウェブサイトもありますが(http://www.kayabukiyane.com/)、それほど重視していないのか面倒くさいのか(笑)、リアルタイムでないし見せ方も……ムニャムニャ。わたくしも建設中から出来る限り足を運び、プロセスを見てきましたが、これまで自分のSNSでは発してきませんでした。んがしかし、この8/30〜31日に、完成以来初めてのイベントが催されました。単なる倉庫としてだけでなく、追波湾エリアの「ムラづくり」を目指して様々な催しに使われ、発信していくようです。なので、いつまでも黙している段階ではありません。手始めに、当方がSNSでお送りします。
 完成までの道のりは、これトライアルとトラブルの連続でした。材の一部は、周辺の山から重機を使わず馬によって搬出する「馬搬」で伐りだされたものです。しかも今年2月に上棟したのですが、その数日後に未曾有の低気圧で吹き荒れた暴風に、あっけなく潰されてしいました。大雪で筋交いを入れる作業ができずに上棟を迎え、しかし屋根はかかっていたために大きな応力がかかり、一気に倒壊したのでした。
 さていったいどうするのだろうかと思っていたら、一度解体し、破断した部分を伐り除き、短い材は継いで再利用すると、社長と設計士は結論づけたのです。
「全木造にしたのは、数十年後に再利用するため。それがたまたま早くきたと思えばいい」。かくして設計士は、被害を受けた構造材の9割を再利用して再建しました。エライ!
 8月最後に催されたのは、子どもたちでカヤの船を造り、浮かべようというもの。熊谷産業の関連ムラづくりNPO りあすの森 主催で、メソポタミアの時代からあったといわれるカヤの船を2隻を作り上げ、北上川支流の皿貝川に浮かべました。今年の夏は31日が日曜日で、なんか切り上がりがいいですね。ピリオドがきっぱりしている。
 熊谷産業の現在の社屋は、あくまでも仮事務所。
 http://streambank.exblog.jp/13862712/
 http://streambank.exblog.jp/15685132/
いずれ南釜谷崎に再建する、と社長は言ってます。どのように変わっていくのがか、愉しみであります。
by kawa-usso | 2014-09-01 19:27 | 震災を越えて。

進水式。

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by kawa-usso | 2014-05-18 19:57 | 震災を越えて。

大室南部神楽、春の祭り。

 田植えの準備の合間。ぽっ!と空いた午後、ささやかなお出かけ。
 うちからクルマで30分の、石巻市北上町へ、春のお祭りを見に。
 大室南部神楽と交流団体の上演があったので。
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 まさに天晴!地元やボランティアのスタッフらをのぞいても、300人くらいいるんじゃないだろうか。テントにしつらえた舞台、垂れ幕。揃いの法被。面と装束。何もかもピカピカ。台詞が記された神題簿まで、ありとあらゆるものを失ったのに、よくぞここまでと思わずにいられない。

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 埼玉県の南部神楽愛好家による「みかぐら」という舞の終盤から鑑賞。演者が幕内に入った後も、楽を2〜3分くらい、まるで曲打ちのような太鼓のバチさばきで続けるのであった。最初から観たかったなー。
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 右は岩手県一関市藤沢町の、下大籠南部神楽(兄弟神楽だそうです)による「信田ケ森」という演目。物語まではしらないのであるが、演者自身が朗々と謳いながらの舞。
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 大トリは大室南部神楽による「水神舞」。解説によると、「東国の水神」と「西国の水神」が神らしからぬ短腹でケンカしているところへ、ザッツ大物のニニギノミコトが現れて仲裁する、ということらしく。

 石巻市北上町十三浜地区の、大室という浜です。県下で最も評価の高いワカメの産地。そしてカキ、ホタテなどなどの養殖も盛んだ。震災当時、比較的多くの船が沖出しして助かった。高台移転地の造成も、他の地区に比べて進んでいる。石巻市域でもかなり「はずれ」に位置し、人口の流出も小さくない。でも神楽の復活こそは、生業の再起にも増してまっすぐな気持ちの―「ここで暮らしていこう」という意思の表明であり、誓いなのだろう。
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by kawa-usso | 2014-05-06 00:20 | 震災を越えて。

復活のカキに思う3.11。

 うまいものはいつでも、いつまでもある。と、楽観してたわけではない。でも、本当に魔法で消したように、店の棚から失くなってしまうことを、具体的に考えられてはいなかった。きっと、そういうことだと思う。3年前のあの日を境に、晩酌に欠かさない三陸産の魚介類が消えた。売れる量だけを見越して製造し、在庫をためずに流通させるオンデマンドな品々も、自己防衛に則った買い貯め行動で速やかに売り切れた。
 ディスプレイ灯が消えたステンレス棚の虚ろな暗さを、いま思い出している。何よりも痛ましい、棚を満たしてくれていた漁業者たちの落命。船と漁具の喪失。トロ箱や、氷や、漁具や艤装や船専門の鉄工所……いっときのうちに災害廃棄物と化した、膨大な仕事のつながり。このような形で、ふだんの食がお預けを食らうとは。

 いま、三陸の港に水揚げされる魚介類は、復活を果たしつつあるものも少なくない。カツオ、サンマ、沿岸の多種多様な魚や貝、エビ、カニ。店頭で買えるようになってきたこと自体が、被害の途方も無さから考えれば、奇蹟と言ってもいいと思う。

 一方で、漁師が血の出る思いで再起を果たしたのに、なぜかいま店頭に並んでいないものがある。カキだ。あるにはあるが、加熱用がちょこっと。生食用のロケット袋があったと思うと広島産、兵庫産。おかしいなと思っていたら、買われない、値段が上がらないという、やりきれなさ極まる報があった。ソースは河北新報。

(記事を探したが見つからない。ので、コピーしておいたテキストを、文末にペーストしておきます)

 殻付きカキを一般家庭でいつも食べるのは相応にハードルが高い。浜の衆のように軽快に剥けるようになるには、ずいぶん練習が必要だし。焼きガキにすれば口を開いてくれるけれど、少人数の家庭だったり、電化してガスが無かったりと不利な条件は多い。水揚げしたカキの処理場は整備が遅れている。むき身を安定して供給するにはまだ時間がかかる。

 震災以前の規模には到底及ばないにしろ、ここまで再興したのだ。ちゃーんとした価格で買い、むだなく食べきるという理想的にしてあたりまえの食べ方が、市場を通すとなぜこんなにも難しいのだろう。海を相手に紙に書いたような「安定供給」なんて必ずしもできない、それがふつう。ないことに不平を言ったりせず、中間業者も、家庭も、販売店や飲食店も、あるものを並べて、メニューは工夫して日々の食を組み立てる。海が「できたよ」と言ったら、迷わず買って、買いつないで、行き渡らせて味わい尽くす。柔軟なモチベーションに支えられた仕組みは、そんなにむずかしいことなのか。

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 写真はこの2月、石巻市長面浦で食べる会が催された、小川水産のカキ。右の「1年物」は殻の内側きっちきちに育った。その中から選りすぐったものをカゴにとりわけ、さらに1年育てた、長面で初めての「2年物」が左。 小川英樹さんは「長面では誰もやってなかったから」と言う。
 (催しは [石巻に恋しちゃった]という、50手前のおっさんが口ずさむには少々照れくさい地域おこしのプログラムでありました。 松原荘の Tomoya Kinoshitaくんもありがとうございました。)

 浜では意欲のある若い生産者が、それぞれの工夫をこらしてとびきりおいしく育て上げた独自の「◯◯カキ」を直販している。まちの飲食店がこぞって買い付け、殻付き生カキや焼きガキ・蒸しガキをばんばん一押しメニューに載せてくれるといいのにちかごろ人気の「仙台せり鍋」のように、提供する人と食べる人の「誠意」でもって盛り上げていければいいのに。仙台なんてあれだけ人が集まってあれだけ飲食店がひしめいているのだ、東京で座して待つ「お取り寄せ」でなく、産地へ出向く「ネオ産直=産地直行」市場をつくるには最高のまちじゃないか。
 漁協を通した共販による、誰でもいつでも買いやすいむき身の供給も維持しながら、再起の海からの授かりものを余すところなく食べ尽くそうぜ。可能だ、と僕は思う。


「カキ養殖戻らぬ販路 担い手減少、打開模索」河北新報より

昨秋使用を始めた万石浦鮮カキ工場では、生産者やその家族らがカキの殻むき作業に精を出す=2月中旬、石巻市渡波
 東日本大震災で大打撃を受けた三陸沿岸の水産業に、販路喪失や担い手減少という壁が立ちはだかっている。生産量は回復傾向が続き、全国2位の水揚げを誇った宮城県産カキは今シーズン、震災前の4割弱まで戻る見通しだが、価格は低迷気味だ。震災後、漁業者の廃業が相次ぐなどして供給力は不安定になっており、取り扱いの拡大をためらう仲買人もいる。(報道部・小木曽崇)

<価格3割下落>
 「これほど実入りが良いシーズンは、この20年でもなかったのに…」。2月中旬、宮城県石巻市渡波のカキ処理場「万石浦鮮かき工場」で、カキ養殖業の本田孝彦さん(38)=同市=が肩を落とした。
 施設は昨年10月、仲間のカキ養殖業者と再建した。今期の生食用県産カキの価格は、昨年末こそ平年を上回ったが年明けに下落。2月中旬には1キロ当たり748円と平年の約7割になった。
 殻むき作業をする処理場は、操業再開を目指す県内53カ所のうち48カ所が稼働する。今期の生産量は2012年漁期の2.5倍、約1500トンに達する見通しだ。
 震災直後の11年漁期は319トンまで落ち込んだ。供給に空白が生じた影響は今も消えず、県内の小売店では広島県産や岡山県産が目立つ。

<仲買人尻込み>
 今期の生産量は回復したとはいえ、震災前(09年漁期)の約35%。供給の不安定さが宮城県産カキを扱う仲買人を尻込みさせる。
 生産量が597トンだった12年漁期。仲買人の多くは、その倍の生産を見越し、小売店から注文を受けた。実際は生産が追い付かず、平均単価は震災前を26%上回る1404円に高騰した。
 ウツミ水産(宮城県利府町)の内海春寿社長は「12年は小売店から受けた注文量を確保するため、多くの業者が損失をかぶった。今期は受注を抑え気味にしている」と明かす。
 処理場が復旧しても、この先、生産量がどこまで回復するかは見通せない。後継者不足が深刻さを増しているからだ。県によると震災前、カキ養殖を営む経営体は920あったが、廃業などで622に減少した。
 本田さんは「共同販売を基本にインターネットを活用するなど新たな売り方を研究し、県産カキのブランド力を上げていくしかない」と、難局打開へ活路を模索する。


by kawa-usso | 2014-03-11 13:47 | 震災を越えて。

長面浜の例大祭。

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 14日、わがまち(旧河北町)の浜、石巻市長面(ながづら)でお祭りがとり行われた。
 昨年に引き続き、震災以降2回め。生活の再起と行方不明者の帰還が祈念され、神輿の海上渡御、長面伝承太鼓と踊りが奉納されたのであった。すっかり家々が取り壊された浜に、続々と集まる車……。

 山に囲まれた湖のような海に、カキ養殖筏が浮かぶ。

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 10メートルはありそうな高台の宮から、急階段を降りてくる御神輿。ちなみに神事が済んで神様が神輿に乗る時は、宮から御神輿まで白い隠し布が貼られ、境内の全員は「いいぞ」と言われるまで御神輿に背を向けていなくてはならない。
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 震災後の9月、がれきの中から見つかったのであろう獅子頭を撮影しました。その写真を、盛岡市で開催中の『とりらと海の写真展』に提供しています。主催の『とりら』は、岩手の民俗芸能を支援し伝えるミニコミ誌。
 27日まで。市内3カ所のカフェにて。
 会場その1
 会場その2
 会場その3(kawa-usso撮影作はこちら)

 よろしければ足を運んでみてください。

 
by kawa-usso | 2013-07-17 13:28 | 震災を越えて。

杉は潮に弱かった。

 枯死した杉は、津波がどこまでさかのぼったかの目安になる。波が届かなくても、地中に染みた潮が根に届いて枯れた木もあるみたい。杉がこんなに塩に弱いとは思わなかった。これは石巻市十三浜の白浜集落。
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a0118120_1125655.jpg 拙宅の庭先にある杉も枯れた。居久根(イグネ=屋敷林)が河畔林といっしょになっているので、この向こうは北上川。あの日、さかのぼってきた津波の塩分が、何本かの木を枯死させた。
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 白浜の向こう、相川浜では、ササキ設計の佐々木文彦氏が、事務所を新築していた。コンクリート造りの高床式1階だけ残して、上モノは津波の引き波が持ち去ったという。1階をそのまま生かして、地元の木で、この17日に完成検査だったそう。津波の危険区域に指定されてしまったので、住宅は建てられない。建てていいのは、倉庫とか事務所ね。
 ちなみに施工は大崎市三本木町の興建ハウジングだ。しゃちょさんはおられなかったが、陸前高田市出身の気仙大工。菅野照夫棟梁と兄弟弟子だったという。以前、修行時代のことを聞き書きした。
by kawa-usso | 2013-05-21 11:33 | 震災を越えて。

映画「先祖になる」。

a0118120_257223.jpg このあいだ出たばっかりでなかったっけ?
 →あ、もう次号の原稿ですか?
 →はい、校正ですね。
 て、感じで着々と進んでおります。
 季刊[住む。](農文協販売)


 関連本の[木の家に住むことを勉強する本]で気仙大工を取材した際に、木こりさんが樹齢百年の杉をちゃっちゃと伐り倒すとこも拝見した。その土地、岩手県の陸前高田は3.11でえらいことになったけど、木こりさんは生きておられ、しかもドキュメンタリー映画に登場して、これがけっこう評判なんだな。[先祖になる]……昨日から仙台で公開みたい。うおーーーー3月中は厳しいなあぁ。

公式サイトはこっちぽん。


by kawa-usso | 2013-03-03 03:03 | 震災を越えて。


ササニシキ偏愛の米農家兼フリーライター。みやぎ石巻(本宅)&いわて花巻(小屋)……長大な北上川河畔の南北拠点から、東北6県の[農林漁業と食住の文化]を観て聴いて報告する「じぶんメディア」


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