静かに語る。
3月の憂鬱をきょう、やり過ごした。つまるところ、申告完了。当然のこと農業収支と売文収支、双方あるわけで。
さっきまで、某国営放送の「プロフェちょナル」を見ていた。べつだん好きじゃないのだが、内容が日本酒の杜氏だったから。「ぴロジェクトX」ほどではないが、やっぱり感動を迫る強迫的な作り方はひきずっているな〜と思う。ナレーション、構成、BGM。あまり派手ではなくそこそこに収めてはいるけれど、画面が放つにおいのようなトーンのような何かを、一文字であらわせば「過」だ。過といえば、テレビ旭日の「改造・弥縫アフタ」。リフォーム前と後で明らかに照明から違うわBGMは華々しいわ、業者を「匠」とかいって持ち上げるわでツッコミどころは山盛り。
好ましいのは、「小さな旅」「新日本紀行再び」なんてあたりである。たまにBGMナシ、淡々の極地みたいな単発ドキュメンタリーを作ってることがあって、「これでも十分じゃないか」と思う。
文章にも通じるところはある。せっかく頂く著者原稿だったら、個人的な見方が入っていていい。でも、「わたしは」をあえて声高にせず※、事実の報告の中に、それとなーく潜ませる書き方が好きだ。淡々とつづっていながら、うん、あなたの考えが、何に感動しているのか明白にわかります、というレポートにあうと膝を打ちたくなる。
残念ではあるけれど自分は才能で書いてきたわけではない。訓練を積み上げた成果として、いくらかのお座敷から声がかかるようになった。いまなおその途上ではあるけれど、おベンキョを始めた当初から理想とする読まれ方はある。当方の記事などまったく興味ない人が、たまたま当方が書いた見出しを見て、気がついたら本文も最後まで読み切っていた。というのが最も冥利に尽きるパターンと言える。読ませる力技ではなくて、自然に読み進んじゃう誘い技。誤解されやすいのだが、小手先のレトリックとは紙一重で違う。
絶妙な「誘い技」を読む気分は複雑である。ビシバシ膝を叩きまくって、繰り返し読んで、鮮やかで温かな読後感に、う〜むこうしちゃおれん、と無駄に焦る。
なんでこんなことを書きたくなったのかしら? 今年もささやかな決算(逃げられない現実)を前にして、どう売文稼業を続けて行けるかな〜と、自問しているのだ、きっと。
※明確に否定する人もいる。「わたしは」を隠すのは責任の回避でありずるい書き方である、と。
さっきまで、某国営放送の「プロフェちょナル」を見ていた。べつだん好きじゃないのだが、内容が日本酒の杜氏だったから。「ぴロジェクトX」ほどではないが、やっぱり感動を迫る強迫的な作り方はひきずっているな〜と思う。ナレーション、構成、BGM。あまり派手ではなくそこそこに収めてはいるけれど、画面が放つにおいのようなトーンのような何かを、一文字であらわせば「過」だ。過といえば、テレビ旭日の「改造・弥縫アフタ」。リフォーム前と後で明らかに照明から違うわBGMは華々しいわ、業者を「匠」とかいって持ち上げるわでツッコミどころは山盛り。
好ましいのは、「小さな旅」「新日本紀行再び」なんてあたりである。たまにBGMナシ、淡々の極地みたいな単発ドキュメンタリーを作ってることがあって、「これでも十分じゃないか」と思う。
文章にも通じるところはある。せっかく頂く著者原稿だったら、個人的な見方が入っていていい。でも、「わたしは」をあえて声高にせず※、事実の報告の中に、それとなーく潜ませる書き方が好きだ。淡々とつづっていながら、うん、あなたの考えが、何に感動しているのか明白にわかります、というレポートにあうと膝を打ちたくなる。
残念ではあるけれど自分は才能で書いてきたわけではない。訓練を積み上げた成果として、いくらかのお座敷から声がかかるようになった。いまなおその途上ではあるけれど、おベンキョを始めた当初から理想とする読まれ方はある。当方の記事などまったく興味ない人が、たまたま当方が書いた見出しを見て、気がついたら本文も最後まで読み切っていた。というのが最も冥利に尽きるパターンと言える。読ませる力技ではなくて、自然に読み進んじゃう誘い技。誤解されやすいのだが、小手先のレトリックとは紙一重で違う。
絶妙な「誘い技」を読む気分は複雑である。ビシバシ膝を叩きまくって、繰り返し読んで、鮮やかで温かな読後感に、う〜むこうしちゃおれん、と無駄に焦る。
なんでこんなことを書きたくなったのかしら? 今年もささやかな決算(逃げられない現実)を前にして、どう売文稼業を続けて行けるかな〜と、自問しているのだ、きっと。
※明確に否定する人もいる。「わたしは」を隠すのは責任の回避でありずるい書き方である、と。
by kawa-usso
| 2010-03-10 00:37
| 雑感、いろいろ。