うぅ、や、やられた!
不意打ちである。
午前中の予定が先方の都合でなくなって、午後の約束までに時間ができた。どこかで暇をつぶすよりもと、駐車場に駐めた車内で、[住む。]48号(最新!)を読む。そうだ、前川秀樹さんの連載物語集をまだ読んでいなかった。氏のエッチング作品を横目に読む、毎回1話完結のファンタジー。
前川英樹=美術家・造形作家。
いま調べたらご本人のブログがあった。
今回は「白い椿の話」。物語は、一話の白鷺(シラサギ)と、百舌(モズ)の会話から始まる。鷺は盲で魚を獲ることはできない。けれども話し上手の聡明な物知りで、崇敬を寄せる仲間が魚をおみやげに彼女の話を聞きに来るのだった。百舌もそんなうちの1羽だが、巧みな声音で自分はオスの鷺であると方便を語る。
……物語のこの辺から、さらっと読み終えて約束の場に向かうつもりが、ぐいぐいと前のめりになってしまった。そして、たった3ページのうち、半ページを残すところでまさかと思っていた涙腺が決壊。あああああああ。
物語が気になる人は季刊「住む。」48号でお読みください。いま思い出しながらまた鼻水が(鼻水だ断じて!)。図書館とか本屋さんで読んでくださってもかまいませぬが、売り物や貸本に涙落とさんといてよ。
涙もろい? ふん。ほっといてくれ。しばらく頭から離れないな。
by kawa-usso
| 2014-01-22 19:51
| 本の話題と掲載誌。