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詩の到達力。

詩の到達力。_a0118120_822139.jpg 久々に[coyote]No.38を買った。
 特集は[山郷の暮らし 夏、山人に聞いた]。背骨をなす報告は、石川県は加賀市白峰、[白山僻村塾]からの取材やフォーラム録。高橋治が創始した時から注視していた。[遠方の拠点]という、立ち位置と視線の送り方、理念・校則が良い。おそらくは現塾長、池澤夏樹が中心になった言葉であろう。彼は作家としてより詩人デビューが早かった。
 詩は言語感覚のバネを試される。スピード、瞬発力、弾丸的。
 俳句や短歌が鉄砲だったら、詩はマシンガンか。速射、連射だ。

 画像は、福島県いわき市の、草野心平記念文学館である。ホールのガラスに刻まれた詩は、「猛烈な天」。展示室内に「撮影はだめヨ」とあるのだが、ここはその外だったし(という屁理屈はいけないのだろうが、まあ館のPRになっていることでひとつ/笑)。きちんと観賞するのは初めてだけど、強くすてきな詩である。手のひらをまっすぐに、ためらいも雑念もなく差し出すように送られてくる言葉。よくも悪くも意図を計算して書いている我が仕事を省みさせるほど、胸に切り込んでくる。

 この詩と、雨雲が走る空と、阿武隈の山並をバックに、弦楽四重奏ユニット[ビルタス・クワルテット]の演奏を聴いた。(主催/いわき芸術文化交流館アリオス)
 霞む空の向うに、今回、呼んでくれた山郷がある。ほんとは前日(土曜)、廃校を拠点に地域再生に取り組む[とわだ山のがっこう]でのコンサートだった。ンがしかし、都合により到着したのは祭りの後。で、その晩は酒に暮れ、日曜日に同館での観賞になった。
 生の音も、よく心に届きますです。けーこさんアリガトウ。
by kawa-usso | 2009-08-31 08:53 | 手の仕事、表現。


ササニシキ偏愛の米農家兼ライター/フォトグラファー。みやぎ石巻(本宅)&北東北いわて支局(通称:花巻小屋)〜長大な北上川河畔の南北拠点から、東北6県の[農林漁業と食住の文化]を観て聴いて報告しています。


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